社会変化が水インフラに及ぼす多面的な影響の検討

 水道・下水道の水インフラは都市の発展に欠かせないインフラとして、重要な役割を果たしてきました。衛生的な生活を送る上で、その役割の重要性に変わりはないものの、水インフラを取り巻く状況は激変しており、一部ではその継続すら懸念される状態にあります。

 社会情勢の変化の主因は、世界に例を見ない急速な人口減少・少子高齢化社会の本格的な到来です。社会・経済構造や都市の姿すらも変容するほどの影響が予想される中では、水インフラの課題についても、水道・下水道の中だけで閉じた議論をするのではなく、他の社会的課題・動向との連関の中で相対化して考える必要があります。水道法改正を始めとした諸制度の改革を受けて、官民連携の取り組みや広域化の推進が積極的に進められていますが、そうした時代の変化を多角的に追跡すると共に、その先にどのような課題があるのか、どのようなシステムがリアルな地域社会の存続に貢献するのか等、先を見越した検討が重要です。

 また、我が国の今後の様々なビジョン(「Society 5.0を実現するための未来投資戦略」など)においては、水道・下水道は公的サービス、資産の民間開放という事業的観点で捉えられていることが多いのが現状です。水インフラとして本質的にどのような進化がありうるのか、制度、基準、技術、経営においてどのような展開がありうるのか、社会の変化を後追いするだけではなく、厳しい制約条件の中であっても前向きかつ多面的な議論を行います。


Water 5.0の体系