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	<title>社会変化と水インフラ研究会（Water 5.0）</title>
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	<description>Water 5.0</description>
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	<title>社会変化と水インフラ研究会（Water 5.0）</title>
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		<title>インフラにおける資金調達の新たな潮流</title>
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		<dc:creator><![CDATA[Hayato Nakazono]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 01 Jun 2023 10:53:55 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[テーマ１　「いまの生活」を続けられるのか？]]></category>
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					<description><![CDATA[2006年に国連が提唱した責任投資原則（PRI: Principles for Responsible Investment）は、機関投資家が受益者に長期的な利益をもたらすために、投資分析と意思決定のフレームワークにES [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>2006年に国連が提唱した責任投資原則（PRI: Principles for Responsible Investment）は、機関投資家が受益者に長期的な利益をもたらすために、投資分析と意思決定のフレームワークにESG課題を組み込むことを求めるガイドラインである。2006年以降、ESG課題は機関投資家にとって運用ポートフォリオのパフォーマンスを高める上で重要な要素であり、機関投資家が投資活動を通じて社会に対する価値創出を目指す上での拠り所になってきた。</p>
<p>ESG関連の重要課題の中でも、気候変動を含む環境問題への対応は時代の変遷によって少しずつその切り口を変えながらも、常に最重要トピックの１つであり続けている。資産運用会社や保険会社などの機関投資家のみならず、将来的には同様の投資行動が幅広く個人投資家へと広がっていくことも期待されている。</p>
<p>このような資金の新たな潮流の中、独立系の投信投資顧問会社であるスパークスが東京都と共同で、インフラファンドを設立した。新たな資金調達ということで、紹介したい。投資対象は主に太陽光発電であるが、今後、上下水道事業などの基幹インフラに対して投資が行われるのか注目されている。</p>
<h1>国・地方の財政状況と、これまでの公営企業の資金調達</h1>
<p>上下水道事業は、地方公営企業法により、企業として経済性を発揮するとともに、公共の福祉を増進するように運営しなければならないとされている。そのため、上下水道事業の多くは、公営企業で運営されている。公営企業には地方債制度があり、金利も市中金利と比べて非常に低率であるため、インフラファンドが参入しても、インフラファンドが魅力を感じる市場ではないと考えられる。そのため、国・地方団体の財政状況、地方債と公営企業債について整理していきたい。</p>
<h2>国の財政状況</h2>
<p>日本国の直近5年の歳入は、税収（基本３税（所得税・法人税・消費税）・その他）で約60兆円である。<br />
公債費は令和元年度までは約35兆円で推移しているが、新型コロナウイルス感染症への対応のため、令和２年度は90.2兆円、令和3年度は43.6兆円となり、増加傾向にある。国の一般会計の厳しさは地方公共団体の一般会計に反映され、上水道事業はより独立採算制を求められ、下水道事業への支出は限定的なものになるものと考えられる。<br />
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<p>日本国の直近5年の歳出は、令和元年度までは約100兆円である。令和2年度以降は、新型コロナウイルス感染症対策予備費などもあり、歳出は増加している。社会保障（年金、医療、福祉その他）は徐々に増加する一方で、公共事業は徐々に減少している。<br />
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<h2>地方の財政状況</h2>
<p>令和3年度地方財政計画における歳入歳出総額の規模は、通常収支分については、89.8兆円となり、東日本大震災分については、復旧・復興事業が0.3兆円、全国防災事業が0.1兆円となっている。新型コロナウイルス感染症対策に取り組む中、令和２年度以降、地方債が増額されている。</p>
<p>地方交付税は、地方団体間の財源の不均衡を調整し、すべての地方団体が一定の水準を維持しうるよう財源を保障する観点から、国税として国が代わって徴収し、一定の合理的な基準によって再配分されている。国税のうち所得税，法人税，酒税，消費税の一定割合をいったん国でためて，各市町村に交付される税である。（地方交付税の総額は、所得税・法人税の33.1%(平成27年度から)、酒税の50%(平成27年度から)、消費税の19.5%(令和2年度から)、地方法人税の全額（平成26年度から）とされている。（地方交付税法第6条））<br />
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<p>地方公共団体の歳出については、義務的経費（給与関係経費、公債費など）、投資的経費及びその他の経費に大別される。投資的経費は、道路・橋りょう、公園、学校、公営住宅の建設等社会資本の整備に要する経費であり、普通建設事業費、災害復旧事業費及び失業対策事業費から構成されている。直近では投資的経費の推移は一定である。<br />
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<h2>地方債</h2>
<p>1982年度以降について、地方債計画における資金別構成比の推移を示したものである。市場公募資金の割合が上昇し、銀行等引受資金と合わせた民間等資金の割合は、徐々に増えている。一方、地方公共団体金融機構資金と合わせた公的資金の割合は、徐々に減少している。地方分権の推進、財政投融資制度改革等の趣旨を踏まえ、今後も、公的資金の段階的な縮減が進展していることが考えられ、民間等資金を中心とした資金調達への転換がさらに進んでいくものと考えられる。<br />
地方公共団体金融機構（JFM）では、2020年2月に初めて、下水道事業に限定したグリーンボンド（環境債）を発行し、海外の機関投資家らを中心に5億ユーロ（約600億円）を調達した。JFMでは、2020年度に続き、2021年2月にも環境債を発行し、10億ユーロ（約1200億円）の資金を調達している。JFMによると、SDGsや環境対策を全面に押し出した債券は、特に欧州の投資家からの人気が高く、資金調達がし易いとのことである。<br />
<img decoding="async" src="https://water5.main.jp/wp-content/uploads/2021/10/17cfefdd655e546b57644bb09ff70204.png" alt="" /></p>
<h2>公営企業債</h2>
<p>地方債は、一般会計債、公営企業債、臨時財政対策債、退職手当債、国の予算等貸付金債に大別される。ここでは、公営企業債について詳述する。</p>
<p>公営企業債全体に占める上下水道事業の企業債発行割合は過半以上であり、公営企業債・水道事業・下水道事業の発行額はほぼ同額程度である。公営企業の事業数、決算規模から鑑みても、企業債発行の割合とほぼ同程度である。地方債発行については、2006 年度に許可制度は廃止され、事前協議制度に移行されている（起債の際には、都道 府県・指定都市は総務大臣に、市町村区等は都道府県知事に協議する体制）。さらに 2012 年度からは一定の要件を満たす地方公共団体の起債については協議を不要とし、事前届出のみで可能である。地方財政健全化法により、財務状況の評価に伴う財政再建団体等の制度により、国による地方公共団体の財政管理の関与が規定され、際限のない地方債発行にはブレーキがかかるシステムになっている。<br />
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<h1>国内インフラファンドの登場</h1>
<p>2015年4月に、東京証券取引所にインフラファンド市場が開設され、2020年2月には上場銘柄7銘柄となったものの、再生可能エネルギー施設（主に、太陽光発電施設）のインフラファンドである。国内インフラファンドは、大手金融グループ系・事業会社グループ系・独立系に大別される。再生可能エネルギー施設の中でも、太陽光発電のオペレーションリスクは低く、バイオマス発電のオペレーションリスクが高いとされており、安定的なキャッシュをどう生み出すことが課題となっている。一方、バイオマス発電はオペレーションが重要な要素であるため、太陽光発電と比べて、地域雇用を生み出すという点が挙げられる。</p>
<p>今回紹介するスパークスは独立系に位置付けられており、2023年3月末時点で、運用資産残高総額は1兆5,012億円であり、その内、海外機関投資家からは約41%（6,105億円）である。海外機関投資家の大半は、欧州の顧客となっている。再生可能エネルギー施設の実物資産は2,592億円である。また、2018年にPRIの署名を行っている。</p>
<h2>国内インフラファンドと地方自治体</h2>
<p>スパークスは再生可能エネルギー発電所を開発・地権者交渉・管理・運営まで実施しており、2011年、東京都との官民連携インフラファンドの運営事業者に選定された。東京都がシードマネーとして15億円を出資し、それが呼び水となって、総額88億円の資金を集めることができている。それ以降、2014年・2019年と立て続けに、官民連携再生可能エネルギーファンド、官民連携ESGファンドの運営事業者に選定され、東京都がそれぞれ５億円を出資している。東京都は、「東京がアジアナンバーワンの国際金融都市の地位を取り戻すため、国や民間等と連携しながら、金融の活性化に向けた取り組みを推進」しており、その一環として、このような官民連携ファンドに出資金を拠出している。<br />
スパークスは東京都との官民連携インフラファンドの運営事業者になったことが、他の自治体への安心材料にもなり、自治体との取組実績を増やしている。熊本県の県有地を活用したメガソーラー施設や南相馬市の防潮堤上部利用のメガソーラー、千葉県などは京成線沿いの県有地（総延長10.5キロ）を活用したメガソーラー施設を運営している。三条市では、市有地を活用し、木質チップによるバイオマス発電を行っている。</p>
<h2>今後の国内インフラファンド</h2>
<p>現在、国内インフラファンドの対象施設は、再生可能エネルギー施設に限定されているが、今後、その他のインフラ事業に投資する可能性もある。その1つのきっかけとしては、コンセッション方式などの官民連携事業への推進という機運である。日本におけるコンセッションの対象となりうる公共サイドが所有する料金収入を伴う資産は192兆円である。再生可能エネルギー発電事業以外のインフラ投資についても、長期的なキャッシュフローを生み出すため、投資対象の事業と思われる。</p>
<p>また、2019年3月時点で、日本の個人金融資産は1835兆円であり、その内、現金・預金は53.3%、投資信託は14%となっている。一方、米国の個人金融資産は88.9兆円で、その内、現金・預金は12.9%、投資信託は46%となっている。以前は、富の分配は一部の資産家が行ってきたが、現代は、富の分配は、社会（個人一人一人）が行うことが可能となった。上場インフラファンドとしては、日本の個人金融資産をインフラ投資につなぐことができる架け橋となることと期待されている。</p>
<h1>考察</h1>
<p>これまで、当研究会でインフラファンドについて議論してきた。2006年の責任投資原則を契機に、機関投資家マインドに変化が起こり、投資基準や投資に対する価値観が変わってきている。<br />
インフラファンドが上下水道事業に参入した場合のメリット・デメリットを下記の通り整理する。また、インフラファンドの活用イメージも記載する。</p>
<p>（１） メリット<br />
・水道施設の更新需要に向けて、新たな投資マネーを呼び込むことができる。<br />
・必要性に応じて、機動的に資金調達することができる。<br />
・インフラファンドの経営ノウハウの活用が期待される。<br />
・第三者的な視点での管理が為されるため、ガバナンスの強化が期待される。</p>
<p>（２） デメリット<br />
・インフラファンドから資金調達した方が、起債方式と比べて、金利負担が大きい。<br />
※起債方式：0.4%（固定金利）、0.02%（変動金利）2020年8月時点<br />
※市中金利：1.475%（短期プライムレート）、1.0%（長期プライムレート）2020年8月時点<br />
・経済環境や市場動向などに応じて、資金回収の見込みが立たない場合、インフラファンドが撤退するリスクはある。</p>
<p>（３） インフラファンドの活用イメージ<br />
・公営企業による再生可能エネルギー施設の整備（機場や遊休地でのメガソーラー発電、バイオマス発電等）<br />
・スマートシティや商業施設などの都市開発に伴う民間水道の施設整備</p>
<h3>出典</h3>
<ol>
<li>財務省, 日本の財政関係資料（令和3年度は当初予算のみ）</li>
<li>総務省, 地方財政計画</li>
<li>財務省, 地方債制度の概要</li>
<li>総務省, 地方公営企業決算</li>
<li>日本下水道新聞, 2021年10月20日掲載記事</li>
</ol>
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		<item>
		<title>これからの公共サービス/インフラのカタチはどうあるべきか②（サービス統合編）</title>
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		<dc:creator><![CDATA[water5]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 18 May 2023 01:10:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[テーマ１　「いまの生活」を続けられるのか？]]></category>
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					<description><![CDATA[前記事では、異なる公共サービス/インフラが連携し、その持続可能性を高めようとする「異業種連携」の試みについて紹介した。近年では、こうした連携からさらに踏み込んで、複数のインフラサービスをまとめた形での官民連携事業が行われ [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p><a href="https://water5.main.jp/これからの公共サービス-インフラのカタチはどう/" target="_blank" rel="noreferrer noopener">前記事</a>では、異なる公共サービス/インフラが連携し、その持続可能性を高めようとする「異業種連携」の試みについて紹介した。近年では、こうした連携からさらに踏み込んで、複数のインフラサービスをまとめた形での官民連携事業が行われているケースもある。これらは「異業種連携」をさらに進めた「サービス統合」の可能性を示すものであると言える。</p>



<p>本記事では異業種連携にとどまらないサービス統合の可能性について考察する。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「異業種連携」よりさらに踏み込んだ「サービス統合」の可能性</h2>



<p>異なるインフラサービスの業務の一部を異業種間が共同実施したり、異業種企業が受託実施したりする取り組みを「異業種連携」として紹介した。それに対し本記事では、複数のインフラサービスの事業体が経営統合したり、経営統合まではなされずとも同一主体が実務の大部分を実施するような形態をとったりしている取り組みを「サービス統合」と定義する。複数のインフラサービスを束ねることで、事業全体の効率化やコスト削減を図れることが期待されている。</p>



<p>例えば、妙高市の事例が挙げられる。妙高市では、民間事業者が設立した「妙高グリーンエナジー株式会社」が、ガス事業においては事業譲渡、上下水道事業においては包括的業務委託を受けることにより、ガス・水道・下水道という3種のインフラサービスを担っている。</p>



<p>また加賀市においては、2006年に行政サービスを補完する組織として、「加賀市総合サービス株式会社」が設立された。主な業務として公共施設の指定管理、業務受託、給食調理の労働派遣を行っているほか、2019年からは地域新電力として「加賀新電力」を立ち上げ、収益を市政に還元する取り組みも行っている（その後2022年6月からは加賀市および加賀市総合サービス株式会社が出資する「加賀ふるさとでんき」が新電力事業を行っている）。</p>



<p>海外に目を向けると、ドイツには地域の複数のインフラを担う官民連携出資の「シュタットベルケ」という事業体も存在する。上記で挙げた2市の試みが基本的には効率化やコスト削減によって持続可能な運営体制の確立を目指しているのに対し、シュタットベルケは、収益事業と非収益事業で内部相互補助を行うことで公共サービスの充実を図り、地域の安全にも寄与している点に特徴がある。また地域内の経済循環を促進し、地域の持続的発展に大きく貢献していることから、水インフラの未来を考える上でも参考になると考える。</p>



<h2 class="wp-block-heading">複数のインフラを包括管理する「シュタットベルケ」とは</h2>



<p>シュタットベルケとは、ドイツにおいて、地方自治体等の行政区域単位で複数の公共的なサービスの整備・運営を担う公共事業体の一つである。法的に明確な定義はないが、地方自治体が出資する事業体であり、①複数のインフラを包括管理、②損益通算や配当を通じた利益の域内還元、ガバナンス面では、③経営の執行と監督の制度的分離、などの特徴を持つ。自治体企業連合である VKU（Verband kommunaler Unternehmen）に加盟する組合企業1,458 社が相当するとされる<sup>1)</sup> 。地方公共団体が100%出資する場合もあれば、地方公共団体と民間が共同出資している場合もある。</p>



<p>シュタットベルケという形態は19世紀中頃に発足し、多くは自治体100％出資の企業としてドイツの地域インフラを支えてきた。1998年の電力全面自由化で激しいシェア獲得競争にさらされたが、大手企業が業界再編する中で、地域密着のサービス提供と一定以上のコスト競争力により地域顧客を獲得してきた。またFIT（再生可能エネルギー固定価格買取制度)導入で、再生可能エネルギーなどを事業の大きな軸のひとつに据える動きが活発化し、安定した収益をあげている。シュタットベルケの中でも、エネルギーを供給する事業体は約 1,000 社と報告されている<sup>1)</sup>。</p>



<h4 class="wp-block-heading">①複数のインフラを包括管理</h4>



<p>複数のサービスを包括管理することで、料金収受を含めた事務の共同化や、職員の多能工化による人材の効率的な配置など、全体最適の観点で管理の効率化やコスト削減が可能となる。シュタットベルケの手がける事業はその事業体によって多様であり、資金調達や顧客管理なども含め相乗効果を作り出すべく、地方公共団体の個別事情を勘案した組み合わせとなっている。</p>



<p><strong>シュタットベルケが供給する主なサービス・事業例</strong></p>



<figure class="wp-block-table is-style-regular"><table><tbody><tr><td>エネルギー　　　</td><td>電力、ガス、熱、スマートメーター、バーチャル・パワープラント、エネルギーマネジメント、決済サービス</td></tr><tr><td>情報通信</td><td>電話、ケーブルテレビ、インターネット、郵便</td></tr><tr><td>廃棄物処理</td><td>回収、輸送、分別、リサイクル、埋設、焼却、道路清掃</td></tr><tr><td>インフラ建設・管理</td><td>上水道・下水道、輸送・交通、港湾、堤防、護岸設備、街灯・防犯灯、駐車場、駐輪場、電気自動車充電器</td></tr><tr><td>施設管理・運営</td><td>緑地公園、遊園地、各種広場、墓地、葬儀場、スポーツ施設、学校、幼稚園、青少年センター、コミュニティセンター、図書館、劇場、博物館、病院、ケアホーム、コミュニティレストラン・カフェ、住宅、国民保護施設、避難所、消防、救急救命、その他行政施設</td></tr><tr><td>交通</td><td>路面電車、バス、タクシー、鉄道、フェリー、遠洋航路線、空港管理、カーシェア・バイクシェアなどのシェアリングサービス、e-モビリティ（充電サービス等）</td></tr></tbody></table><figcaption class="wp-element-caption">出典：国土交通政策研究所「国土交通政策研究所第71号」</figcaption></figure>



<p>こうした多様な事業の中でも、小売り自由化されている電気、ガスを事業として有し、そこで利益があげられている場合が多い。最も多く実施されているのが電力事業であり、全体の約50%（733社）が手掛けている<sup>1)</sup>。シュタットベルケにおける電力事業では火力から再生可能エネルギーまでさまざまな電源を持っている場合が多く、利益を上げやすい構造が作られている。</p>



<h4 class="wp-block-heading">②損益通算や配当を通じた利益の域内還元</h4>



<p>シュタットベルケには、サービスを直接供給する事業会社と、特定目的会社を束ねる持株会社があり、特に大規模都市・中規模都市においては、持株会社方式の組織構造をもつ場合が多いようだ<sup>2)</sup>。</p>



<p>持株会社形式の場合、親会社が独立的な事業会社に出資する形態をとる。こうした構造により、収益事業の利益で、利益が出ない事業に対して内部相互補助を行う事ができる。また、グループ全体での損失補填による損益通算が可能となり、節税効果が得られ経営基盤の安定化にもつながっている。採算性の高い事業を別組織とすることで、他からの投資を得やすくなるというメリットもある。</p>



<p>また地域に密着したサービスに重きを置いており、トラブル発生時の技術者派遣などの緊急対応やスポーツ振興などの地域貢献で市民との信頼関係を構築している。利益の配当を公共サービスの供給という形で市民に還元できること、雇用創出や、その結果として地域の所得が向上するといった地域内の経済循環の意義があることへも市民の理解が得られており、競争の激しいエネルギー市場において選ばれる経営戦略で顧客を増やしている。</p>



<h4 class="wp-block-heading">③経営の執行と監督の制度的分離</h4>



<p>自治体に比べて機動的な経営が可能になっていることに加え、ガバナンスがしっかりしていることも大きな特徴である。監査役は地方公共団体の首長や議員等から選任されるが、権限は決算の承認、執行役の任免等の重大な行為に限定される。執行役は一般公募で選ばれる場合が多く、MBA取得者や他のシュタットベルケで経験を積んだ経営者など、外部から経営の専門家を選任し委ねることで、機動的な経営を可能としている。ガバナンスの不全のおそれが制度的に防止されていると言える。シュタットベルケでも経営の失敗による破綻はあるが、適切なタイミングで税金の投入を止められる体制が機能している。</p>



<h2 class="wp-block-heading">日本での注目の高まり</h2>



<p>前記事でも記載の通り、人口減少、少子高齢化が進む日本では、税収の減少による公共サービスの劣化は避けられない。また日本の公共インフラは1970～90年頃に建てられたものが多いため、建替えの時期を迎えた施設が多くあり、建替えのために予算確保は大きな課題である。こうした財政難・人材難に直面する地方自治体にとって解決策となりうるモデル事例として挙がっているのがシュタットベルケである。</p>



<p>日本ではドイツから約20年近く遅れて、2012年にFITを導入、2016 年から電力小売全面自由化を開始した。こうした背景から新電力関連ビジネスが多く生まれ、地方自治体が出資等で関与し、地域の再生可能エネルギーなどを電源として限定された地域を対象に電力販売を行う「自治体新電力」の設立も相次いだ。数々の自然災害を経験した結果、再生エネルギーをベースとした分散型のエネルギー供給を自治体のレジリエンス強化につなげようとする地方自治体が増える中、ドイツで再生可能エネルギー普及の一翼を担いつつ、エネルギー事業を核に多様な公共サービスの担い手となっているシュタットベルケが、地域エネルギー事業の経営形態の一つとして注目を集めるようになった。</p>



<p>「自治体新電力」は地域内での電力の供給にとどまっているものが多いが、中には、地域に新たな雇用を生み出し、地域経済の活性化につながる期待がもてる日本版シュタットベルケと呼ばれるような取り組みもみられる。</p>



<p>日本版シュタットベルケの先駆けとして注目されているのが、福岡県南西部に位置するみやま市の「みやまスマートエネルギー株式会社」である。</p>



<h4 class="wp-block-heading"><strong>「自治体新電力」設立に関わるみやま市の動き</strong></h4>



<ul class="wp-block-list">
<li>2010年：市内の住宅への太陽光発電システムの新設に対する補助を開始。</li>



<li>2012年：「みやま市大規模太陽光発電設備設置促進条例」を制定。発電出力50kW 以上のメガソーラーを設置した事業者を助成するなど、市内の太陽光発電事業を後押しする体制を整えた。</li>



<li>2013年：「みやまエネルギー開発機構」を設立、遊休地だった市有地に太陽光発電所を建設し、５MWのメガソーラーを設置。</li>



<li>2014年：国が募集していたバイオマス産業都市に応募し認定を受ける。HEMS（家庭用エネルギー管理システム）の実証事業を実施。</li>



<li>2015年：実証終了後のHEMSを使った市民向けサービス運用事業体として「みやまスマートエネルギー株式会社」設立</li>



<li>2018年：みやま市バイオマスセンター「ルフラン」を本格稼働。</li>
</ul>



<h4 class="wp-block-heading">日本版シュタットベルケの先駆け、みやま市の取り組み</h4>



<p>みやま市は、有明海に面して平地が多く太陽光にも恵まれていることから、太陽光パネルの設置促進を進めていた。東日本大震災以降は、災害時でも市内に電力を供給し続けられる環境確立やエネルギーの地産地消による地域経済活性化などを目的に、太陽光発電事業に注力。2015年には、HEMSを使った市民向けサービスなどによる地域問題の解決と太陽光発電事業の更なる推進と目指し、みやまスマートエネルギー株式会社を設立した。出資比率は、みやま市の55％のほか、みやまパワーホールディングスが40％、筑邦銀行が5％となっている。</p>



<p>同社は、2016年4月から自治体新電力としては日本で初めて家庭向けに電力の供給を開始。また、HEMSのビッグデータを活用した高齢者の見守りサービスや市内商店の品物の宅配サービス、地産地消がテーマのレストランを有するコミュニティスペース「さくらテラス」の建設・運用などで注目を集めた。設立当初から、電力事業による収益を原資に他の公共サービスを提供する想定で事業設計されている点に特徴がある。その他にも、県外の同様の地域課題を抱えたエリアの自治体新電力との連携を推進。また東京都の外郭団体で新電力事業を手がける東京都環境公社の需給管理支援を受託したり、東京都目黒区の公共施設にFIT電気を供給したりと、多くの自治体新電力とは一線を画す取り組みが見られた。</p>



<p>2016年、2017年と赤字を計上したが、2018年に単年度での黒字決済を達成。その後債務超過は解消し、2020年3月期決算では1億4000万円の純利益を計上していた。それまで市外からの電力購入では年間約40億円が他の地域に流出している状況にあったところを、地域内に残して還元できるという期待もあった。また、住民の減少に伴い市の職員数も減る一方だったところ、2017年度末時点で、関連企業を含めて約50人の雇用が生まれていた<sup>3)</sup>。</p>



<h4 class="wp-block-heading">みやま市が向き合う課題</h4>



<p>しかし、多くの課題も浮き彫りになっている。2020年12月から2021年1月にかけての液化天然ガスの不足が原因とされる卸電力市場の価格急騰で、全国的な新電力会社の収益悪化と同様に、みやまスマートエネルギーも約2億円の単年度赤字となり、再び債務超過となった。みやま市は、費用縮減及び新たなソリューションビジネスの推進等により2025年までに債務超過を解消する<sup>4)</sup>としているが、ウクライナ危機の影響もあり電力業界にとっては厳しい状況が続いている。</p>



<p>資金面の困難だけでなく、ガバナンスにおける課題も指摘されている。</p>



<p>みやまスマートエネルギーと、40％の株式を所有するみやまパワーホールディングスの間の一部業務委託について、利益相反取引に当たっていたことが発覚した。2020年2月にまとめられた調査報告書では、委託手続きの不備によりみやまスマートエネルギーに損失が生じた可能性と、早急な体制見直しと、第3セクターとしてさらなる透明性と公共性を図る必要性が記された。調査報告書を受け、同社は経営体制の見直しを図り、みやまパワーホールディングスが保有する自社株を全株買い取り、資本構成をみやま市55%、みやまスマートエネルギー40%、筑邦銀行5％とした。また同時期に批判を受けていた全国への積極的な事業展開を中止し、みやま市を中心とした地域に集中する方針へと舵を切ることとなった<sup>5)</sup>。</p>



<h2 class="wp-block-heading">日本で導入するにあたっての課題</h2>



<h4 class="wp-block-heading">黒字事業の創出</h4>



<p>諸富徹氏は「自治体エネルギー公益事業体」の創設とその意義」の中で、日本がシュタットベルケから学ぶべき点として「エネルギー分野で収益をあげうる公的事業体を確立し、そこから生み出される安定的な収益を用いて、地域経済と市民生活の向上のための再投資を行うという事業モデルを確立すること」をあげている<sup>6)</sup>。</p>



<p>全国40の自治体新電力を対象にした調査によると、電力供給開始前のところを除き、2020年2月時点で赤字決算の自治体新電力はほぼなかった<sup>7)</sup>。<br>しかし2020年冬の市場高騰の影響を受け、みやまスマートエネルギーも含めて多くの自治体新電力がダメージを受けている。帝国データバンクによると、2021年度の自治体新電力の倒産件数は14件と、単年度として過去最多となった<sup>8)</sup>。ウクライナ危機の影響も、更なる追い打ちとなっている可能性が高い。</p>



<p>ドイツのシュタットベルケでは、市直営の駐車場を、通信事業のノウハウを生かして管理を無人化したことにより黒字化を実現した例や、国が行うスマートシティ事業のシステムの導入などを請け負うパートナーに選定され、ネットワークソリューションやe-mobility事業などを行っている例がある。収益確保のためには、電力事業において多様な電源を確保すること、電力販売にとどまらず事業を多角化することが必要であると考えるが、ドイツにおいてはこうした経営判断も、民間経営だからこそ柔軟に可能となっているものと思われる。</p>



<p>また、現在日本でシュタットベルケのような複合インフラサービスの業態に興味を示しているのは大都市に本社を持つ大手企業が多いが、地域内経済循環の観点から考えると、当初の組織・事業立ち上げ時には大手企業が参画するとしても、段階的に地域の資本がマジョリティをとるような形が望ましいかもしれない。</p>



<h4 class="wp-block-heading">ガバナンス</h4>



<p>水道法改正の議論のときなどにも明らかになったとおり、日本国民にとって公共サービスを民間企業が担うことへの不信感が大きい。これは、1980年代に多数設立された公社や第3セクターが、バブル崩壊とともに不良債権を抱えて事業に失敗し、一般財源を投入して清算されたケースが続出したことに起因する。第3セクターは当初、民間企業と自治体がともに出資して事業協力することで、民間企業の効率性と自治体の公益性を併せ持つ事業体として期待された。しかし実態としては、経営的な責任主体が不明確で、事業の効率性と公益性の達成についてチェックする体制が機能不全に陥ることも多く、多くの失敗事例を生み出した。</p>



<p>みやまスマートエネルギー株式会社のガバナンス不全による一連の流れを受けて、ローカルグッド創成支援機構・事務局長の稲垣憲治氏は、議会との関係作り、ステークホルダーとの合意形成、高いコンプライアンスの確保の重要性について次のように言及している<sup>5)</sup>。</p>



<ul class="wp-block-list">
<li>議会との関係作り：過去の第3セクターの失敗で議会・自治体ともにトラウマがあり、注目されやすい背景があることから、議会との関係作りが非常に重要である。累積赤字が解消するまで、将来展望などを踏まえた冷静な議論が議会でできるかがポイントになる。</li>



<li>ステークホルダーとの合意形成：全国展開という経営方針については、当初から市内で批判があり、市内での事業を後回しにしていたわけではないにも関わらず結果として中止となった。丁寧な対話による経営方針の共有やステークホルダーとの合意形成の重要性を改めて示した事例と言える。</li>



<li>高いコンプライアンス確保の重要性：利益相反取引において取締役会の承認を得ていないことが問題視された。利益相反自体は取締役会などの手続きを踏めば法令違反ではないが、疑念を生むことにもなりかねず、高い透明性を求められる自治体新電力になじまない方法だった可能性があると指摘する。</li>
</ul>



<h4 class="wp-block-heading">その他、ドイツとの文化的・制度的背景の違い</h4>



<p>文化や制度の違いから、シュタットベルケの仕組みをそのまま横展開することは難しいという点は、多くの場で共有の認識がもたれている。</p>



<p>文化面で言えば、ドイツの背景には歴史の中で築かれた強い自治意識があり、エネルギー供給の確保も自治体の役目とされ、エネルギー供給への自治体の影響力が強い。一方日本の地方は国の意向に従う傾向がある。</p>



<p>制度面では、日本の自治体新電力の現状として、新規参入しやすい市場環境が整備されつつあるが、自治体にとっては設備投資のための資金調達が難しい面がある。またシュタットベルケの特徴でもある利益の内部補填についても、ドイツでは持ち株会社方式において50%超を出資していれば損益通算ができるが、日本においては100%の出資でないと損益通算ができないなど会計制度としての違いがある。教育制度という点でも、ドイツでは中学校卒業後に技術者育成などの専門校を選ぶ道が整備されており、こうした制度で育成される多能工の存在が効率化に大きな役割を果たしていると思われるが、日本でこうした多能工人材をどのように育成できるかは課題がありそうだ。</p>



<h2 class="wp-block-heading">旧東ドイツにおけるシュタットベルケ導入の事例</h2>



<p>文化や制度の違いによる課題は前述の通りだが、地域インフラを管理する組織のあり方が旧西ドイツと歴史的に異なる点がある旧東ドイツにおいて、東西統合を経て組織形態を制度や市場環境に合わせて変化させていった結果、他の旧西ドイツにあるシュタットベルケと同様の企業形態に収束していった例もある。</p>



<p>国土交通政策研究所の調査事例として取り上げられた、人口約55万人の比較的大きな人口規模を持つ、旧東ドイツ・ザクセン州の州都ドレスデンに拠点を置くシュタットベルケ「DREWAGStadtwerke Dresden GmbH (以下 DREWAG)」が興味深い<sup>9)</sup>。</p>



<p>ドレスデンでは、ドレスデン市の100％出資である親会社の傘下に、電気・ガス・熱及び水道の供給事業を行うDREWAGの他、トラム・バスを行う会社、廃棄物処理や清掃事業を展開する会社、プール事業を行う会社などがある。DREWAGの抱える電力事業(小売）、ガス事業(小売）、熱供給事業等が黒字事業であり、その利益が親会社を通じて赤字事業である公共交通や廃棄物事業、プール事業に補填され、残った利益は市が利益処分を判断する仕組みとなっている。</p>



<p>旧東ドイツでは旧西ドイツと異なり、人民所有企業(エネルギーコンビナート)という形態をとり、事業ごとに別会社によって供給されていた。DREWAGも市内への電気・ガス・水道の供給を行う独立した会社であったが、電力自由化による競争環境の変化を見据え、ドイツの東西統合を契機に設立されていたシュタットベルケのグループ会社になったという。</p>



<p>旧東ドイツという、歴史的にインフラ管理のあり方が異なる地域においても、複数インフラを単一の企業が管理し、グループ全体で損益通算することによって経営上のメリットが得られている、と本調査報告には記載されている。また市の都市計画部門と連携して連邦のエネルギー計画に即した自治体のエネルギー計画の策定にシュタットベルケが協力し、そのエネルギー計画や目標を参考にしながらシュタットベルケとして投資計画を立てていくこともなされているとのことであり、行政との深い関連によって経営判断の効率化が実現している様子がうかがえる。</p>



<p>こうした事例は、歴史的な背景が異なる地域においても、収益性の高い事業と低い事業を包括的に管理し、公益性が高いが赤字になりやすい事業を経済的に成り立たせるという仕組みが、インフラサービスの管理のあり方として有効に成り立ちうるということを示していると考えられる。</p>



<h2 class="wp-block-heading">新たな連携手法‐これからの公共サービスを考える</h2>



<p>これまでの事例を振り返ると、公共サービスを異業種間で連携・統合する目的として、まず「事業の効率化」や「サービスの高度化」などが挙げられる。これは、公共サービスの広域連携に似た手法ともいえるが、このほかシュタットベルケの事例などでみられた「損益通算」や「域内還元」といった考え方は、我が国の今後の公共サービスを考えるうえで重要なヒントになるのではないだろうか。</p>



<p>次回の記事では、サービス連携・統合に関する調査結果を踏まえ、「これからの公共サービス/インフラのカタチ」について考えていく。</p>



<h2 class="wp-block-heading">参考文献</h2>



<p>1) 国土交通政策研究所「国土交通政策研究所報第71号」 P52<br>2) 土屋依子・朝日ちさと・馬場康郎「地方財政の効率化に資する地域マネジメントのあり方に関する研究 ドイツの都市公社“Stadtwerke”に着目して」<br>3) 日経BP総合研究所「福岡県みやま市、挑戦的な地域新電力に見る「理想と現実」」<a href="https://project.nikkeibp.co.jp/atclppp/PPP/434167/022800096/?P=3">https://project.nikkeibp.co.jp/atclppp/PPP/434167/022800096/?P=3</a>　(2023年5月17日閲覧)<br>4) 福岡県みやま「第市三セクター等経営健全化方針」<br>5) 稲垣憲治「自治体新電力の雄、みやまスマートエネルギーの混乱と再起への道のり」<a href="https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/05709/?P=2">https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/05709/?P=2</a>    (2023年5月17日閲覧)<br>6) 諸富徹「「自治体エネルギー公益事業体」の創設とその意義」<br>7) 国際公共経済学会「国際公共経済研究第31号」P19<br>8) 帝国データバンク「「新電力会社」倒産動向調査」<br>9) 国土交通政策研究所「国土交通政策研究所報第76号」P69-71</p>
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		<title>これからの公共サービス/インフラのカタチはどうあるべきか①（異業種連携編）</title>
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		<pubDate>Thu, 18 May 2023 01:09:00 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[テーマ１　「いまの生活」を続けられるのか？]]></category>
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					<description><![CDATA[日本の公共サービス/インフラは持続可能か 日本の地域経済は人口減少や高齢化の進行によって縮小傾向にあり、特に地方においては公共サービス/インフラの維持が困難になりつつある。また、それと同時に高度経済成長期を中心に整備され [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<h2 class="wp-block-heading">日本の公共サービス/インフラは持続可能か</h2>



<p>日本の地域経済は人口減少や高齢化の進行によって縮小傾向にあり、特に地方においては公共サービス/インフラの維持が困難になりつつある。また、それと同時に高度経済成長期を中心に整備されたインフラ設備の老朽化も進んでいる。国土交通省では2018年から2033年における社会資本の老朽化の推移を予測しており、道路橋は約25%から約63%、トンネルは約20%から約42%、河川管理施設は約32%から約62%へと、今後20年間で建設後50年を経過する施設の割合が加速度的に高くなる見込みを示している<sup>1)</sup>。</p>



<p>老朽化したインフラ設備を適切に維持管理していないと重大な事故につながることは過去の事例が示している。2012年に発生し9名の死者を出した笹子トンネル崩落事故では、それ以降5年に1回の点検がトンネルなどの道路施設に義務付けられるようになるなど、維持管理の重要性が改めて認知された。</p>



<p>全国では下水道管路の劣化・老朽化に起因する道路陥没が、令和2年には約2,700件発生している<sup>3)</sup>。2021年10月3日に発生した和歌山市の水管橋崩落事故は、水インフラ（上下水道）の老朽化の深刻さを物語る事例として記憶に新しい。</p>



<p>地域住民の足として重要な役割を持つ鉄道は、上記の通り料金収入減少の中、設備の老朽化が進むという厳しい事業環境の中で、経営を継続することが困難となり、地方で廃線が続いている<sup>2)</sup>。</p>



<p>水インフラも、交通インフラと同様に料金収入減少（図１）と設備老朽化（図２）から厳しい状況にある。交通インフラには、鉄道や道路といった複数の手段が存在し、その経営に関しても公営や民間といった選択肢が存在するが、水インフラは原則、自治体が供給責任を負うことから、現在の法制度では施策も限られるため、課題解決はより困難であると言えるかもしれない。 人口減少と設備老朽化が同時に進む地方において、公共サービス/インフラは持続性の観点で大きな課題を抱えており、持続可能性の危機に瀕している。一連の記事（３本立て）では、上記現状を踏まえ、日本の公共サービス/インフラのカタチについて、水インフラを軸に、将来のあるべき姿を考える。</p>


<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full is-resized"><img decoding="async" src="https://water5.main.jp/wp-content/uploads/2022/09/86bf38dd16404efc5ff6150159e274c2.jpg" alt="" class="wp-image-241" width="800" srcset="https://water5.main.jp/wp-content/uploads/2022/09/86bf38dd16404efc5ff6150159e274c2.jpg 1002w, https://water5.main.jp/wp-content/uploads/2022/09/86bf38dd16404efc5ff6150159e274c2-300x210.jpg 300w, https://water5.main.jp/wp-content/uploads/2022/09/86bf38dd16404efc5ff6150159e274c2-768x539.jpg 768w" sizes="(max-width: 1002px) 100vw, 1002px" /></figure></div>

<div class="wp-block-image">
<figure class="aligncenter size-full is-resized"><img decoding="async" src="https://water5.main.jp/wp-content/uploads/2022/09/66b6cccade7e0b499692410d8cda4433.jpg" alt="" class="wp-image-242" width="800" srcset="https://water5.main.jp/wp-content/uploads/2022/09/66b6cccade7e0b499692410d8cda4433.jpg 942w, https://water5.main.jp/wp-content/uploads/2022/09/66b6cccade7e0b499692410d8cda4433-300x215.jpg 300w, https://water5.main.jp/wp-content/uploads/2022/09/66b6cccade7e0b499692410d8cda4433-768x550.jpg 768w" sizes="(max-width: 942px) 100vw, 942px" /></figure></div>


<h2 class="wp-block-heading">持続のためのヒントは「異業種連携」にあり？</h2>



<p>国内の公共サービス/インフラが整備されたのは、人口や経済が右肩上がりの時代であった。図２に示す通り、水道事業においても、1957年の水道法制定以降、日本の水道普及率が飛躍的に上昇した。昭和30年（1950年）代から40年（1960年）代にかけての高度経済成長期に、水道インフラは面的にも量的にも整備され、1978年には水道普及率が90%に達した。</p>



<p>建設中心であった当時は、人口増による需要の増加、あるいは潤沢な補助金を背景とし、とにかく目の前の需要を満たすことを優先し、投資を実施していくことでも事業が成立していた。一方で、上記に述べた厳しい社会環境と設備老朽化という状況を踏まえると、限られたリソースで公共サービス/インフラを維持していくためには、効率化を図っていく必要があることは自明である。</p>



<p>そのための手段のひとつとして、本記事ではインフラサービスの「異業種連携」に焦点を当てる。各インフラの維持のためにそれぞれの運営事業者や維持管理業者、あるいはメーカーが培った技術・ノウハウは、それぞれ他のインフラにも生かせる可能性があるのではないか、という考えである。</p>



<p>例えば、ＮＥＸＣＯ中日本では道路点検のためのドローン技術等を開発している<sup>5)</sup>。また、NTT西日本では、東京電力や大阪ガスなどと株式会社ジャパン・インフラ・ウェイマークを設立し、ドローンを活用したインフラメンテナンスサービスを提供している<sup>6)</sup>。これらの技術は、水インフラ等の管路や土木躯体、構造部材の維持にも使えるものと思われる。和歌山市の水管橋崩落のような事故も、予防することができるかもしれない。</p>



<p>地下埋設物という観点では、上下水道管路、ガス管、通信ケーブルも同じである。水道管とガス管の共同施工を行うことで、掘削幅を減らすことで費用を低減するなどの工夫は昔から行われてきたようである<sup>7)</sup>。同様に、地下埋設物の維持管理についても、共通するノウハウが利用できるかもしれない。</p>



<p>また、地域として限られた経営資源（ヒト・モノ・カネ）を有効に活用する観点でも、公共サービス/インフラの「異業種連携」に、持続可能性を高めるためのヒントがあるのではないだろうか。</p>



<p>次章では、水インフラと異業種の連携事例、さらには異業種の組織が、本業で培った技術を、水インフラの維持に活かすべく水インフラ事業に参入しているケースまで、事例調査を行った結果を紹介する。</p>



<h2 class="wp-block-heading">異業種連携事例調査</h2>



<h4 class="wp-block-heading"><strong>（１）　スマートメータ―に関する連携（水×電気×ガス）</strong></h4>



<p>　スマートメーターとは通信機能を持ったデジタル式のメーターのことで、従来は人が検針することで記録していた各需要家の電気（あるいはガス、水道）使用量を、自動で、リアルタイムに中央のシステムへ知らせることができるものである。</p>



<p>スマートメータ―は電力事業分野においていち早く普及が進みつつある。理由は次の通りである。電力事業は、２０００年に「特別高圧」の小売りが自由化されて以降改革が進み、２０１６年には家庭用を含む小売りが全面自由化され、２０２０年には発送電の法的分離が行われた。電力システムにおいては発電事業者の発電量と小売事業者が需要家に提供する電力量のバランスを常時許容される一定の範囲内に保つ必要があるが、このような複数の発電事業者・小売事業者が存在する中で導入されているのが、「計画値同時同量」という、発電事業者・小売事業者（あるいはそれらを束ねるアグリゲーター・バーチャルパワープラント（VPP））がそれぞれ送配電事業者に提出した計画値に従って発電・供給を行う責任を負う制度である。この制度の前提として、需要家の使用電力量をリアルタイムで把握することが必要となるが、そのためには、電力使用量をリアルタイムで中央システムに伝達するスマートメーターが必要である。つまり、電力改革を推進する上でスマートメータ―の導入は必須のものであり、その必要性から必然的にいち早く普及したのだと言えるだろう。実際、電力スマートメータ―は2022年2月時点で普及率が90%を超えており、資源エネルギー庁では2024年までには100%とする計画となっている。</p>



<p>また、ガス事業においても、1995年から大口需要家向けから小売り自由化が始まり、２０１７年には小売完全自由化され、電力事業同様、スマートメーターの普及が促進されている。ただし、都市ガスにおけるスマートメーターの普及率は電力事業に比べるとまだ低く0.3%程度となっており、日本ガス協会では2040年代に全てのメーターをスマートメータ―とする計画としている。</p>



<p>スマートメーターは水道分野においても需要の状況をリアルタイムで把握することでシステム全体の最適化に活用できるだけでなく、見守りサービスといった新たなサービスの提供の可能性や、検針という人の手間をなくすことができるという大きなメリットも持っている。水道分野でも２０１３年からスマートメーターの活用について水道技術研究センターで勉強会が始まり、その後も調査・研究プロジェクトが行われるなど、注目されてきた<sup>8)</sup>。ただし、実証実験等を除いて水道におけるスマートメーターの普及率は現状ほぼ0%である。</p>



<p>現在、電気、ガス、水道の使用量は各サービス個別に収集しているケースがほとんどであるが、これを一本化し、すべてスマートメーターを利用した同一システムで行えば、全体として大きな効率化になるはずである。このような考えから、２０２０年には電気事業連合会を中心とした電気・ガス・水道の共同検針に向けた検討も開始されており<sup>9)</sup>、２０２１年からは学術関係者や行政機関、スマートメーターの開発製造に関わる民間企業から構成される、共同検針インターフェース会議に引き継がれ、実現に向け運用ルール、無線方式、サーバ間接続方式などの仕様が検討されている<sup>10)</sup>。 また、表１に示す通り、近年では自治体、水関係企業および水以外のインフラ企業等、様々な組織がスマートメータ―を利用した共同検針等に関する実証実験を実施している。</p>



<div class="wp-block-columns is-layout-flex wp-container-core-columns-is-layout-9d6595d7 wp-block-columns-is-layout-flex">
<div class="wp-block-column is-layout-flow wp-block-column-is-layout-flow" style="flex-basis:100%">
<figure class="wp-block-table"><table><tbody><tr><td>内容</td><td>参加組織</td><td>期間</td><td>備考</td></tr><tr><td>電力スマートメーターの通信網をガス・水道でも利用する実証試験<sup>11)</sup></td><td>八戸圏域水道企業団、東北電力、八戸ガス</td><td>2020年</td><td></td></tr><tr><td>電力スマートメーターの通信網をガス・水道でも利用する実証試験（集合住宅１６戸）<sup>12)</sup></td><td>静岡市上下水道局、中部電力、静岡ガス</td><td>2020年～2022年（予定）</td><td></td></tr><tr><td>電力スマートメーターの通信網をガス・水道でも利用する実証試験を工場跡地の宅地開発エリア（410戸）で実施<sup>13)</sup></td><td>豊橋市上下水道局、中部電力、中部ガス</td><td>2019年～2025年（予定）</td><td>中部ガスは現在はガステックサービスと合併しサーラエナジー株式会社となっている</td></tr><tr><td>電力スマートメーターのネットワークを活用し、LWPA（省電力の無線通信技術）を用いた共同検針の実現に向けた実証試験<sup>14)</sup></td><td>北広島市、岩見沢市、旭川市、北海道電力ネットワーク</td><td>2019年12月～2020年3月</td><td>北海道電力ネットワークは北海道電力の送電子会社である</td></tr><tr><td>電力スマートメーターが導入済みである離島と山間部での共同検針実証試験<sup>15)</sup></td><td>香川県広域水道企業団、四国電力送配電</td><td>2021年～</td><td>四国電力送配電は四国電力の送電子会社である</td></tr><tr><td>電力スマートメータ―システムを活用した、水道メーター遠隔検針の実証実験<sup>17)</sup></td><td>徳島市上下水道局、四国電力送配電、第一環境</td><td>2022年～2023年（予定）</td><td>水道検針が困難な箇所の電子式水道メーターに四国電力送配電が提供する無線通信端末を設置しシステムと通信を行うもので、設置個所数は10箇所程度</td></tr></tbody></table><figcaption class="wp-element-caption">表１　スマートメーターを利用した共同検針等に関する実証実験</figcaption></figure>



<p>また、北陸電力は、ＩｏＴ用通信回線サービス（通信回線サービス、回線接続サービス）を２０２０年４月から提供している<sup>16)</sup>。東京ガス、大阪ガス、東邦ガスのガス事業大手３社は、水道利用も視野に入れて、スマートメーターと業務システム間の信号授受システムを共同開発している<sup>18)</sup>。</p>



<p>このように、スマートメータ―における連携については多くの試みが行われており、電力・ガス・水道が一体となって、効率化を実現しようという動きが進行している状態であることがわかった。電力事業・ガス事業は小売り自由化が進み、激しい顧客の奪い合いとなっている中で、大手電力事業者・ガス事業者の念頭に新たなビジネスチャンスとして、水道事業があることも背景のひとつであると推測される。検針はガス・電力・水道の中で共通化が図りやすい要素であり、入口として手頃であると考えられる。実際、２０２２年に中部電力は水道事業への参入へ具体的な検討に入ると明らかにしている<sup>19)</sup>。また多くの上下水道PPP案件においては、コンソーシアムの中に異業種企業（ガス事業者・電力事業者・通信事業者）の姿を見るようになりつつある。</p>



<p>水道事業がこのように新たなビジネス機会として注目されていること自体は、水インフラの持続性向上を模索する上で歓迎すべきことであると思われるが、その異業種で培った技術を水インフラの持続発展に活かすことができるかは、元来水インフラを担ってきた自治体とそれを支えてきた企業・研究機関といかに上手く連携できるかがカギとなるのではないか。</p>



<h4 class="wp-block-heading"><strong>（２）管路に関する連携（水×ガス×通信）</strong><strong></strong></h4>



<p>水道管、ガス導管、通信ケーブルはいずれも地下埋設物であるが、それらの管理は個々の事業者で行われており、公道における工事時期の調整（道路工事調整会議）といった連携は今でも行われているが、連携をさらに一歩踏み込んで行うことで全体としてより効率的な管理を行うことができる可能性がある。過去にも水道管とガス管の同時施工による工事費の削減が試みられた事例があることは前章で述べた通りである。</p>



<p>ガス事業者は自らの所有するガス導管のストックを効率的に維持管理するため、GISを利用した配管マッピングシステムを開発し運用してきた。その技術は水道管の維持管理にも活かされている。東京ガスの子会社である東京ガスエンジニアリングソリューションでは、１９８６年に東京都水道局の水道マッピングシステムを受注し、その後も現在までに多くの水道事業体から受注し、大きな存在感を示している。</p>



<p>同じく地下埋設物である通信ケーブル等を管理する主体である通信事業者に目を向けると、NTT西日本が積極的に水道事業に参入しており、熊本県有明・八代工業用水道運営事業や大阪市工水運営事業に参画している。また、名古屋市とは漏水検知共同研究（水量水圧の変化状況から漏水検知のアルゴリズム）も行っている<sup>20)</sup>。同社は「通信と水道はインフラや業務の共通点が多い」として、漏水の遠隔監視や料金徴収などで、培ったノウハウを生かしていくとしている<sup>21)</sup>。</p>



<p>また、静岡県湖西市と、ガス事業者であるサーラエナジー株式会社（2019年に中部ガスとガステックサービスの合併により設立）は、2021年12月に包括連携に関する協定を結び、水道事業とガス事業が協力・連携して、サービスの向上や強靭なライフライン整備など取り組んでいくこととしており、具体的な連携内容として、サービス（料金収納業務デジタル化、共同自動検針）、メンテナンス（管路データ共有化、点検・緊急対応における連携）、コンストラクション（計画の共有、ガス導管と水道管の同時施工）を掲げている<sup>22)</sup>。</p>



<p>東京ガスとNTT東日本、NTTインフラネットは、埋設物調査・工事立会の共同ＷＥＢ受付を２０２１年より開始した。これは、今まで地下埋設物の工事を行う工事会社は、道路掘削工事の都度、各ライフライン事業者に申請を行う必要があり、また各ライフライン事業者も都度申請毎の対応を行っており、両者にとって効率化の余地があったところに、東京ガスとＮＴＴ東日本のサービス提供エリアにおける年間約８万件に及ぶ受付業務を、ＮＴＴインフラネットのＷＥＢシステムを利用して共同受付するようにし、業務を効率化したものである<sup>23)</sup>。</p>



<p>このように、地下埋設物という観点では水道管、ガス導管、通信ケーブルともに、特に管理の点で共通する技術的要素が多々あり、今後も連携を発展させることでさらなる具体的な効果が期待できそうであることがわかった。</p>



<h4 class="wp-block-heading"><strong>（３）　水インフラと電力システムの連携</strong><strong></strong></h4>



<p>直接的な維持管理の話からはいったん少し離れ、次に水インフラと電力システムの連携という切り口で調査した結果を記す。</p>



<p>世界では気候変動の問題を背景にカーボンニュートラルへの取り組みが求められており、２０２１年１０月に閣議決定された第６次エネルギー基本計画では2030年時点で再生可能エネルギー比率を36-38%にすると目標を掲げている。再生可能エネルギーの普及のためには、送電線の増強や蓄電池の普及といった電力システムのハード面の増強に加え、時間帯や気象条件により変化する再生可能エネルギー系電源の供給可能電力の状況にあわせて需要を調整するソフト面の仕組み（DR：デマンドレスポンス）が欠かせない。</p>



<p>実際に、水道施設の持つ電力需要の調整能力を利用した、デマンドレスポンスの試みが行われている。福山市、福山市立大学、JFEエンジニアリングは共同研究で、浄水場の配水池の容量をバッファとして利用し、送水ポンプを停止することで調整力を提供するシステムを開発した<sup>24)</sup>。２０２１年から実際に送配電事業者の調整力公募の枠組みに参画し、事業化している。神戸市水道局、出光興産、横河ソリューションは、水道施設のポンプ運転と市内に設置する蓄電池を、高度なエネルギーマネジメント技術とデジタル技術により遠隔・統合制御することで、ひとつの発電所のように機能させる仕組み（VPP）を実証している<sup>25)</sup>。</p>



<p>調整力は、削減した電気と同じ分を発電したことと同じ価値があるということであり、対価を得ることもできる。技術開発を進め、配水池のバッファのような浄水場の特性を利用したより応答性の高いDRシステムが開発されれば、水道事業が電力事業に参入し、再生可能エネルギーの普及を促進すると同時に、調整力対価という新たな収益源を得ることができる可能性もある。</p>



<p>また、再生可能エネルギーという観点では、下水処理により生じる汚泥は大きなエネルギーポテンシャルを有している。これを利用したバイオマス発電により得られた電気を、ＦＩＴやＦＩＰといった制度と組み合わせ売電する事業も行われており、再生可能エネルギーのひとつとして今後より普及することが期待される。</p>



<p>世界の潮流として脱炭素は避けて通れないものであり、上下水道事業についてもそれは当てはまる。日本国全体の平成30年時点のCO2排出量12億4千万t-CO<sub>2</sub>/年<sup>26)</sup>に対して、水道事業からの排出量は平成18年度時点で340万t-CO<sub>2</sub>/年<sup>27)</sup>、下水道事業からの排出量は平成28年度時点で630万t-CO<sub>2</sub>/年<sup>28)</sup>であり、上下水道事業由来の排出量は国全体の排出量の約0.8％を占める。国土交通省は2030年までに下水道由来のCO2排出量を208万トン削減する目標を掲げている<sup>29)</sup>。水道事業からのCO2排出量のうち９割以上は電力消費に由来しており<sup>27)</sup>、特に電力事業との連携による削減の余地が大きいと思われる。脱炭素に真剣に取り組む中で、今後より一層、水インフラと電力システムの連携の可能性は広がるように思われる。</p>



<h4 class="wp-block-heading"><strong>（４）　事業運営ノウハウの水インフラへの活用</strong><strong></strong></h4>



<p>リソースの限られた厳しい事業環境下で公共サービス/インフラの持続可能性を向上させるためには、高度な事業運営ノウハウが必要である。民間事業者の持つ事業運営ノウハウを上下水道事業に取り込もう、という考えは、近年上下水道事業の運営において官民連携という手法がより注目され、国からも推奨されるようになった理由のひとつと言えるだろう。</p>



<p>官民連携の枠組みでは、従来のサービス購入型のPFIよりもさらに民間事業者の自由度・責任範囲を拡大したコンセッション方式（運営権方式）が実施されており、水インフラ関係としては2023年5月17日時点で事業者選定まで完了済みのものが国内で６件（大阪市工水、熊本県工水、浜松市下水、須崎市下水、三浦市下水、宮城県上工下水）実績がある。コンセッション方式は2018年の水道法改正により、水道事業でも実施が可能になっている。</p>



<p>もともとコンセッションは空港の運営事業を中心に拡大してきた。航空機の発着料金の設定やテナントによる収入等、商業的な工夫しろの大きい空港運営事業と、それらのない上下水道事業には大きな違いがあるが、コスト削減や長期間にわたる収支計画の策定力といった、共通で要求される能力もある。また、安定的な人材育成、適切な設備投資、ESG経営の促進といった価値が、民間事業者に期待されることは共通である。このような背景から、オリックス、前田建設、東急建設といった、空港コンセッションや、道路コンセッションで実績を多く持つ企業が、水インフラの知見を有する企業とコンソーシアムを形成することで、上下水道のコンセッション案件に参画している。また、海外の水道事業体に投資し、事業運営を行っている商社等も、今後国内の上下水道コンセッション事業等への参画に興味を示す可能性もあると思われる。</p>



<p>インフラの持続性を事業運営という切り口で見た際、経営的専門性を有する企業と、技術的専門性を有する企業が協力して事業運営を推進するのも、ひとつの異業種連携のかたちであると言えるかもしれない。</p>



<h4 class="wp-block-heading"><strong>（５）　下水疫学</strong><strong></strong></h4>



<p>事例調査の最後に、本記事の本筋からは逸れるが、水インフラから生み出される可能性のある新たなサービスについて、下水疫学という切り口から調査を行ったので報告する。</p>



<p>下水から地域の疫病の感染状況を把握するという試みは昔から行われてきたが、この取り組みは新型コロナウイルス禍で改めて注目を浴びた。東北大学、山形大学、北海道大学、仙台市、日水コンからなるグループは下水中濃度から感染者数を推定するモデルを構築した<sup>30)</sup>。塩野義製薬と北海道大学は下水から新型コロナウイルスの高感度検出技術を共同研究している<sup>31)</sup>。島津製作所は京都大学協力のもとに下水で新型コロナウイルス検査サービスを開発し、自治体などへ売り込んでいる<sup>32)</sup>。オーストラリアでも下水から新型コロナウイルス流行状況を把握する技術が開発されているが、これは下水をろ過し、ろ紙に残った物質を砕いて核酸抽出し、PCR検査を行うものである<sup>33)</sup>。これらの技術が実用化されれば、下水道と連携する新たなサービス分野を創造できる可能性がある。例えば、下水を分析することにより地域における新型コロナウイルスの現在の流行状況を推定した結果を自治体に提供するサービスが考えられる。自治体はそれに応じた対応（対策の強化や緩和）を臨機応変に講じるのに役立てることができるだろう。</p>



<p>新型コロナウイルス感染症がいつまで人々の生活に大きな影響を与えるかは見通せないが、人間と疫病の関係は切っても切り離せないものである。下水疫学とそこから生み出されるサービスは、疫病と共存する社会の形を設計する上で、重要な役割を担う可能性があると思われる。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「異業種連携」から踏み込んだ「サービス統合」も</h2>



<p>以上見てきたように、異なる公共サービス/インフラが連携し、維持管理を効率化したり、新たなサービスを生み出したりすることで、その持続可能性を高めようという試みが行われていることがわかった。</p>



<p>また、まだ国内では事例は少ないが、複数のインフラサービスをまとめた形での官民連携事業が行われているケースもある。これは「異業種連携」をさらに進めた「サービス統合」の可能性を示すものであると言えるだろう。</p>



<p>例として、大津市では、民間事業者が設立したびわ湖ブルーエナジー（大阪ガス74.8%、JFEエンジニアリング0.1%、水道機工0.1%、大津市25%）が、ガス事業はコンセッション、水道事業は業務委託（漏水対応、施設点検）によりガス・水道という2種のインフラサービスを担う事業が行われている。</p>



<p>また、妙高市では、民間事業者が設立した妙高グリーンエナジー（JFEエンジニアリング51%、北陸ガス44%、INPEX5%）が、ガス事業は事業譲渡、上下水道事業は包括的業務委託によりガス・水道・下水道という３種のインフラサービスを担う事業が行われている。</p>



<p>水インフラ以外では、加賀市においては、2006年に行政サービスを補完する組織として、加賀市総合サービス株式会社を設立し、主な業務として公共施設の指定管理、業務受託、給食調理の労働派遣を行っているほか、2019年からは地域新電力として「加賀新電力」を立ち上げ、収益を市政に還元する取り組みも行っている。</p>



<p>さらに国外に目を向けると、ドイツには地域の複数のインフラを担う事業者であるシュタットベルケという組織形態も存在する。</p>



<p>水インフラに限らず、今後老朽化の進む国内のインフラを持続可能なものにしていくためには、地域としての限られた経営資源（ヒト・モノ・カネ）をより一層効率的に利用することが求められる。そのための手段として、上記に挙げたような異業種連携からさらに踏み込んだサービス統合という形は大きな可能性を秘めていると考える。サービス統合の想像しやすいメリットとしては、共通事務費の削減や、従事者の多能工化による効率化・組織力強化、異業種間に共通する技術的要素を軸とした技術革新の促進が考えられる。その一方で、組織形態（出資者を含む）、ガバナンス・官の関与の在り方、法制度の整理（例えば、水道のような受益者負担を原則とする事業の存在を考えると、一体経営の中で黒字事業によって赤字事業を補填することの是非など）など、検討すべき課題も多いと思われる。 異業種インフラのサービス統合について、メリット・デメリットの洗い出し、枠組み・法制度の詳細検討を行う中で、日本の文化になじむ持続的なインフラサービスのカタチのヒントを見つけることができるかもしれない。このような期待から、次記事ではシュタットベルケも参考としつつ、異業種間のサービス統合について考察する。</p>



<h2 class="wp-block-heading">参考文献</h2>



<p>1)令和3年度版国土交通白書2節P. 45</p>



<p>2)国土交通省「地域鉄道のあり方に関する検討会【資料編】」<a href="https://www.mlit.go.jp/common/001102182.pdf">https://www.mlit.go.jp/common/001102182.pdf</a>（2023年5月17日閲覧）</p>



<p>3)国土交通省HP　<a href="https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/crd_sewerage_tk_000135.html">https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/crd_sewerage_tk_000135.html</a>（2023年5月17日閲覧）</p>



<p>4)総務省「水道事業経営の現状と課題」　<a href="https://www.soumu.go.jp/main_content/000555182.pdf">https://www.soumu.go.jp/main_content/000555182.pdf</a>（2023年5月17日閲覧）</p>



<p>5)NEXCO中日本HP　ニュースリリース　<a href="https://www.c-nexco.co.jp/corporate/pressroom/news_release/5080.html">https://www.c-nexco.co.jp/corporate/pressroom/news_release/5080.html</a>（2023年5月17日閲覧）</p>



<p>6)株式会社ジャパン・インフラ・ウェイマークHP　<a href="https://www.jiw.co.jp">https://www.jiw.co.jp</a>（2023年5月17日閲覧）</p>



<p>7)日本水道協会「水道施設におけるコスト縮減対策実施事例集　平成16年3月」P.26　<a href="http://www.jwwa.or.jp/houkokusyo/pdf/suidou_cost.pdf">http://www.jwwa.or.jp/houkokusyo/pdf/suidou_cost.pdf</a>（2023年5月17日閲覧）</p>



<p>8)水道技術研究センターHP　<a href="http://www.jwrc-net.or.jp/kenshuu-koushuu/handout/smartmater.html">http://www.jwrc-net.or.jp/kenshuu-koushuu/handout/smartmater.html</a>（2023年5月17日閲覧）　</p>



<p>9)電気・ガス・水道の共同検針に向けた取組状況について（2020年12月25日　電気事業連合会）</p>



<p>10)共同検針インターフェース会議の検討結果について（2021年9月1日　共同検針インターフェース会議）</p>



<p>11)東北電力HP　<a href="https://www.tohoku-epco.co.jp/pastnews/normal/1205987_1049.html">https://www.tohoku-epco.co.jp/pastnews/normal/1205987_1049.html</a>（2023年5月17日閲覧）</p>



<p>12)静岡市HP　<a href="https://www.city.shizuoka.lg.jp/334_000085.html">https://www.city.shizuoka.lg.jp/334_000085.html</a>（2023年5月17日閲覧）</p>



<p>13)豊橋市HP　<a href="https://www.city.toyohashi.lg.jp/41656.htm">https://www.city.toyohashi.lg.jp/41656.htm</a>（2023年5月17日閲覧）</p>



<p>14)日本水道新聞　2021年9月2日</p>



<p>15)日本水道新聞&nbsp; 2020年10月4日</p>



<p>16)北陸電力HP　<a href="https://www.rikuden.co.jp/press/attach/19092401.pdf">https://www.rikuden.co.jp/press/attach/19092401.pdf</a>（2023年5月17日閲覧）</p>



<p>17)東京ガスHP　<a href="https://www.tokyo-gas.co.jp/news/press/20201202-01.html">https://www.tokyo-gas.co.jp/news/press/20201202-01.html</a>（2023年5月17日閲覧）</p>



<p>18)日本水道新聞　2022年1月24日</p>



<p>19)朝日新聞　2022年1月26日</p>



<p>20)日本水道新聞　2021年3月18日</p>



<p>21)日本経済新聞　2021年8月16日</p>



<p>22)湖西市HP　<a href="https://www.city.kosai.shizuoka.jp/soshikiichiran/suidoka/1_1/oshirasetopics/10804.html">https://www.city.kosai.shizuoka.jp/soshikiichiran/suidoka/1_1/oshirasetopics/10804.html</a>（2023年5月17日閲覧）</p>



<p>23)NTTインフラネットHP　<a href="https://www.nttinf.co.jp/news/pdf/2021/inf-210426_01.pdf">https://www.nttinf.co.jp/news/pdf/2021/inf-210426_01.pdf</a>（2023年5月17日閲覧）</p>



<p>24)JFEエンジニアリングHP　<a href="https://www.jfe-eng.co.jp/news/2017/20171016.html">https://www.jfe-eng.co.jp/news/2017/20171016.html</a>（2023年5月17日閲覧）</p>



<p>25)横河電機HP　<a href="https://www.yokogawa.co.jp/news/press-releases/2021/2021-01-15-ja/">https://www.yokogawa.co.jp/news/press-releases/2021/2021-01-15-ja/</a>（2023年5月17日閲覧）</p>



<p>26)経済産業省HP　 <a href="https://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphlet/energy2020/003/">https://www.enecho.meti.go.jp/about/pamphlet/energy2020/003/</a>（2023年5月17日閲覧）</p>



<p>27)平成18年度　水道統計</p>



<p>28)平成28年3月　環境省・国土交通省「下水道における地球温暖化対策マニュアル」</p>



<p>29)日本下水道新聞　2021年10月6日</p>



<p>30)日水コンHP　<a href="http://www.nissuicon.co.jp/press-20211108/">http://www.nissuicon.co.jp/press-20211108/</a>（2023年5月17日閲覧）</p>



<p>31)日本経済新聞　2021年2月26日</p>



<p>32)日本経済新聞　2021年2月25日 </p>



<p>33)朝日新聞　2020年12月6日</p>
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